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部長日記 10 新年の勉強会や研究のことなど・・・「患者診ずして研究無し」

明けましておめでとうございます。

県病神経内科では昨年末ギリギリまでいろいろな研究会があり、とても充実した1年でした。年が変って、今月は1月21日、岩手医大神内寺山先生のご参加を得ての脳梗塞診療ガイドラインの勉強会に始まり、23日に福島医大神内の宇川先生との不随意運動の勉強会、2月は4日に順天堂大神内服部先生とパーキンソン病の、12日に京大神経内科の池田先生とてんかんの勉強会をすることになっています。今年もまた熱いディスカッションが楽しみです。新年早々のドカ雪にめげず、関係諸先生方のご参集をお待ちしております。

この1年、若い先生方の成長には眼をみはるものがありました。その結果、診療体制の充実はもちろん臨床研究体制も着々整ってきました。三木先生によるパーキンソン病皮下神経Lewy小体の発見は全員の協力体制のもとで行われた世界的成果でしたし、沢山の症例の中にはあっと驚くような発見が沢山ありました。本日(1月7日)の総回診も、LEMS、Ophthalmoplegia plus、亜急性ataxia+OD、後骨間神経麻痺と見紛うCVDなど、新年早々目から鱗が落ちるような新入院が目白押しで、excitingなものでした。

ところで、医学の世界には「遊びの研究」というものがあります。そのときの流行に乗ってデータを弄ぶような研究とでも云いましょうか。実際上、臨床的リアリティからかけ離れた基礎研究は臨床医学や医療にとってまことに有害です。いわば患者そっちのけの研究で、患者の苦悩が置き去りにされるからです。ロンドンで研究を始めて間もない頃、ある高名な米国人Neurologistによる講演会のあとGilliatt先生が小生の研究室に来られ、「今日の講演内容をどう思うか」と問われたあと、続けて「患者診ずして研究なし、心するように」と言われたことが忘れられません。臨床基盤のない「まゆつばの研究」だとの批判でした。県病神経内科では、来春4月から後期研修医のDrたちが弘大病理、神経病理、神経生理学教室の社会人大学院生として各々自前の謎解き挑戦を開始する予定ですが、臨床医学研究では患者と共に歩まずして動物実験などありえないこと、若いDrたちに身を持って体験していただきたいと思います。

小生はと云うと、畏友八木橋操六、額田均両先生と共に糖尿病性神経障害の病態解析にもう少し切り込みたいと思っています。30数年前に恩師後藤由夫先生から「糖尿病神経障害の電気生理診断基準を作れ」といわれて以来ずっと目標にしてきた課題で、世界中未だ誰も成功していませんが、残された数年で何とかメドがつけられそうです。今年もよろしくお願いします。

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