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部長日記 9 師走の勉強会

12月 15th, 2009

年の瀬を迎えましたが、当科では年末に入ってもいろいろな勉強会が催されています。
先月末には循環器科と合同で「脳と心臓」研究会がスタートし、ドパミン作働薬による心臓弁膜症の問題が取り上げられました。パーキンソン病スペシャリスト冨山先生の基調講演に続き、羽田勝征先生(榊原記念クリニック、東京)が特別講演でP病患者弁膜症の心エコー動画を供覧なさいました。羽田先生はパーキンソン病の心エコーガイドライン作成に関係された心エコースペシャリストです。小生7,8年前に高度心不全を来たしたハシリの症例を経験して以来パーキンソン病患者の聴診と胸部Xpを心がけているので、聴診の有用性について質問させていただいたところ、羽田先生はとても驚かれ、「今はエコーがあるので循環器医は聴診しなくなりました。神経内科医が聴診するなどとは思ってもいなかったので、葛原理事長に心エコーを勧めました」とのこと。どうもパーキンソン病の心エコー義務付けには牛刀をもって鶏を割く類の趣あり。しかも羽田先生から「神経内科医は今もハンマーなど使うのですか?」と逆質問され、今度はこちらが椅子から転げ落ちそうになりました。ハンマーだのピンを駆逐するハイテク検査は今もありません、遺伝子だのMRIは単なる「補助検査」に過ぎず、神経学的診察はヒトの複雑な神経機能の破綻をいち早く的確に把握するための知恵の集大成であること、羽田先生にご説明申し上げた次第です。
続いて先週月曜日、青森市内の先生方の集まりで西嶌春生先生が「めまい」の講演を行いました。彼にとっては1時間講演の初デビューでしたが、数例の自験例をもとに中枢性から末梢性まで幅広く網羅した立派なめまい論でした。いまそこにある「めまい」をどう診てどう処置するかは医師の力量が鋭く試される瞬間ですが、自分が眩暈を起こしたら西嶌先生に診てもらおうと思ったのは小生だけではありますまい(写真1)。
 そして今週は弘大神経病理学若林教授による今年度2回目のBrain Cuttingがあり、貴重な剖検脳を囲んで質疑応答がありました。今回は、現在当科で研修中の弘大5年生本郷さんの脳解剖の知識が大変充実していることに一同ビックリ。若林教授も「ここまで知っていれば神経内科研修は楽しいでしょ?」と舌を巻いていました。そういえば彼女の前に研修した服部君の症例発表も学びの姿勢をよく感じさせるりっぱな出来ばえで、スタッフ一同賞賛の嵐でした。
最後に昨夜のこと、岩手医大の寺山教授から脳梗塞のご講演を承りました。脳梗塞初期治療の視点から見るとTIAという病名が死語になりつつあることや、Lacunar stroke, BAD, 脳動脈解離の現実などが詳細に語られました。特に解離病変では治療法のエビデンスが希薄で、臨床医の試行錯誤はまだまだ当分続きそうです。寺山先生を取り囲むようにしてお話を拝聴した若者達の眼が一段と輝いていたことに大きな希望を感じた研究会でした。

Dr西嶌

BrCutting1

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