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学位報告ー2 西嶌先生

4月 21st, 2014

学位報告の2回目は 西嶌先生です。西嶌先生の論文も掲載雑誌の表紙をかざりました!

Nishijima H, Suzuki S, Kon T, Funamizu Y, Ueno T, Haga R, Suzuki C, Arai A, Kimura T, Suzuki C, Meruro R, Miki Y, Yamada J, Migita K, Ichinohe N, Ueno S, Baba M, Tomiyama M

Morphologic changes of dendritic spines of striatal neurons in the L-DOPA-induce d dyskinesia model. Movement Disorders 29: 336-43, 2014.

 

Nishijima

 

 

 

 

じめに:レボドパ誘発ジスキネジア (LID) はパーキンソン病 (PD) 患者に対するレボドパ経口反復投与によりおこる。ドパミン受容体に対する波状的な刺激が線条体神経細胞のシナプスに可塑的変化をもたらすことにより生じるとされており、そのシナプスの可塑性はシナプス後部の樹状突起上スパインの形態変化からおこる。今回我々はLIDモデルラットの線条体でスパインがどのような形態変化を起こしているかを調べた。

方法:コントロールラット、PDモデルラット、LIDモデルラット、及びコントロールにレボドパを投与したラットの4群を用いた。線条体神経細胞樹状突起上スパインの形態を直接路あるいは間接路を形成する神経細胞を分けて検討するため、各ラットの淡蒼球内節 (GPi) または外節 (GPe) に逆行性トレーサーのFast Blueを注入した。その後還流固定により半固定状態とした脳を取り出しFast Blueにより標識された線条体 (Str) の神経細胞、すなわちStr-GPi (直接路) 細胞またはStr-GPe (間接路) 細胞に蛍光色素のLucifer Yellowを注入し樹状突起上のスパインを可視化した。共焦点顕微鏡で観察し、スパインの密度とスパイン頭部の大きさを計測した。

結果:コントロールと比較してLIDモデルではStr-GPi細胞でスパインの密度が低下し、かつ個々のスパインは肥大していた。コントロールにレボドパを投与した群ではスパインの密度はコントロールと変化がなかったがスパインの肥大は認めた。コントロールにレボドパを投与した群ではLIDに相応するような不随意運動は認めなかった。

考察LIDモデルのStr-GPi細胞でのスパインの肥大は直接路細胞の興奮性増大を意味し皮質線条体シナプスの異常を反映する形態変化と考えられる。コントロールにレボドパを投与した群でもスパインの肥大がみられたことは高用量のレボドパ投与は健常な線条体神経細胞にも可塑的な変化をもたらす可能性が示唆されるが、この群ではスパインの密度の変化がなかったために不随意運動を発現しなかったのかもしれない。

結論:本研究でLID発現には直接路を形成する線条体神経細胞の入力部シナプスの構造的可塑性、すなわちスパインの肥大と密度低下の両者が関与していることが示唆された。

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