学位報告ー1 上野先生
今年 学位を取得した3人の先生方のお仕事を 順番に紹介していきたいと思います。
今回は、上野先生の学位のお仕事の内容を紹介します。上野先生の論文は、掲載雑誌の表紙をかざりました。
表題:Morphological and electrophysiological changes in intratelencephalic-type pyramidal neurons in the motor cortex of a rat model of levodopa-induced dyskinesia.
Ueno T, Yamada J, Nishijima H, Arai A, Migita K, Baba M, Ueno S, Tomiyama M.
Neurobiol Dis. 2014 Apr;64:142-9.
青森県立中央病院神経内科は、一市中病院にいながらも、学位を取得することができる病院です。私も当科に勤務しながら大学院を無事に卒業することが出来ました。
大学院に入学したのは卒後4年目からです。当科では1年間限定として月曜・火曜に弘前大学にて研究を行うことができるシステムをとっており、この短期間で集中的に研究のプランから実際の実験、そして結果を導き出すという作業をしなくてはなりません。
私の場合、青森から弘前へ通い、実験を連日行う際は土曜~火曜まで続けて行うといった生活のため、家族にはいろいろと迷惑をかけました。
私の研究テーマがパーキンソン病モデルラットのレボドパ誘発ジスキネジアモデルの大脳皮質の形態変化をみるといったものでしたので、ラットを大量に扱いました。最終的には形態変化だけではなく電気生理学的変化もみるといった内容になりさらにモデルラットを大量に作成しました。この結果、抗原に長期間暴露されたためか、最後には飼育舎に行くと、くしゃみがでるようになるなどのラットに対するアレルギー症状もでました。
結果がでてから、これを実際の論文に仕上げていくという過程では、普段書きなれない英語を駆使して仕上げ、オーベンの冨山先生に確認をしていただくということを繰り返しました。論文の初投稿が遅かったため、学位審査の締切に間に合わないのではないかという不安のなかreviewerとのやり取りがありました。実際に論文が受理された時にはこれまでの苦労が報われた感があり非常にうれしかったことを記憶しています。これまで家を不在にすることが多く迷惑をかけた私の家族、また大学院の受け入れて頂いた脳神経生理学講座の先生方、そして私が研究にいっている間に臨床面でのカバーをいろいろとしていただきました当科の先生方に感謝したいと思います。
今年は、私のほかにも同時に2名が学位を取得されています。現在もなお2名の先生が学位を取得するべく日々努力をされています。(上野)