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Archive for 8月, 2017

2017 Peripeheral nerve society annual meeting

8月 29th, 2017

 


バルセロナ近郊のSitgesで開催された、Peripheral Nerve Societyに参加してきました。

当神経内科からは、馬場先生とわたくし村上が参加してきました。この学会にはじめて参加したのは2003年のBanffで開催されたときでしたが、そのころと比べると年々規模が大きくなってきています。また日本からの参加者も年々ふえており、今年は、いくつかの学会賞を日本人が受賞しました。学会プログラムは朝7時から夜7時過ぎまでびっちり組まれており、基礎的な内容から、各国でおこなわれている治験の報告まで、末梢神経に関する話題が幅広くとりあげられていました。

Sitgesはバルセロナから電車で1時間弱のとてもきれいなビーチのある町でした。夏のスペインは毎日晴れていて、水着をもっていかなかったのが悔やまれるほどでした。国際学会は準備などそれなりに大変ではありますが、学会の内容だけではなく、日本から参加されている、他施設の先生方と親しくお話する機会をもてたり、他では得難い経験をすることができます。今年も大いに刺激をうけて帰国しました。この学会はこれまで2年毎に開催されておりましたが、来年からは、毎年の開催になるそうですので、来年もがんばってぜひ演題をもって参加したいと思います(村上)

Sitges:

当科からの発表は下記のとおり:

Baba M. et al. Occurrence of diabetic foot by NCS-severity of diabetic neuropathy: A 5-year prospective observation.

 

Suzuki C. et al. Changes in Pain Threshold by skin temperature: A study by intra-epidermal electrical stimulation.

 

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第43回神経内科専門医試験体験記

8月 4th, 2017

当神経内科の船水先生が無事 神経内科専門医試験に合格しました!おめでとうございます。船水先生から合格体験記がとどきました。

 

非常に厳しい戦いでしたが、何とか専門医試験に合格することができました。これから試験を受けられる方向けに、専門医試験を受験して思ったことを書いてみます。

2017年1月 試験を受ける覚悟を決める。(ここが一番重要)神経内科の専門医は内科系専門医の中でも特に難しいと聞いており、ずっと物怖じしていましたが周りからのプレッシャーとついに後輩が受けるとの無言の圧力があり、ついに受験の意思を(半ば受動的に)きめました。

2月 神経領域のカテゴリー別に症例サマリー10例を作成。当科では急性期疾患、慢性器疾患を広く受け持たせてもらえるので症例選びにはさほど困りませんでした。しかし神経内科になりたてのときに受け持った症例などもあったので記憶を呼び起こしてカルテを確認しながら記載。上司の西嶌、冨山先生にチェックしていただき赤ペンで修正だらけになったのを手直しし何とか仕上げました。

3月 勉強開始。まずは過去問をとにかくやってみる。・・・予想していたものの全く持って解けず。先輩方から解けないよーとは聞いていたもののほんとに全く解けない。まず問題文の意味も分からないレベル。本当に日本語かと疑うほど(実際横文字は多いのだが)。過去問解く→絶望→現実逃避→過去問の絶望スパイラル。仮にも臨床医を数年やっているのにもかかわらずこれほど解けないことに情けなくなる。しかし臨床とテストは別物!と自分に言い聞かせ、周りからの励ましを受けながら解き進めました。一次試験は必修、臨床、一般とカテゴライズされているため、まだ比較的わかる必修をとりあえず3年分やり、その後臨床、一般と解いていきました。臨床はやはり普段の実臨床の分とっかかりがあるのですが、不勉強は私には基礎知識を問われる一般が一番きつかったです。そして私の受験に合わせるかのように神経学会公認の問題集(青本)が出てくれましたのでこれを購入し何週かしました。問題量はかなり少ないのですが問題の次のページに解説がしっかり書かれているのでそれを読み、追加で調べたいと思った問題の疾患の情報を調べルーズリーフに書き込んでいきました。青本の後にさらに過去5年分の過去問を解き、試験直前にもう一度青本で自分がミスった問題を見直す、というスタイルで過ごしました。以前受けた先輩には「神経内科ハンドブックを2回くらい通読しないと落ちるよ」と言われており俺もやろうと数ページ読んですぐに俺には無理!と素直に諦めました。その間に月1回くらい埼玉在住の後輩と東京で勉強したのですが、お互いの刺激になり下がり気味のモチベーションの賦活が得られるのでかなり良かったです。よって誰かほかの人と一緒に受けるのを強くお勧めします。

6月 一次試験受ける。会場は東大駒場キャンパス。周りはみんなじゃがいもに見えるよう自己暗示。試験時間を計りながらの勉強はしてなかったので時間配分が心配でしたが急ぎ目でやって充分見直しに時間が取れるくらいでした。必修は体感で8割は行けたかと思うくらいの難度でした。一般、臨床はうーん、5割は行けたかなーくらいでしたが初見殺しと思うような手も足も出ない問題もいくつかありました。臨床は大門に小門がいくつかという形式なので何の疾患かすらわからないとかなり焦りますが気持ちを切り替え取れる問題を取る、という心意気が重要な気がします。青本で見たのがそっくりそのまま出ている問題も数例あったのでやはり青本重要です。その他も過去問と症例は似ているが設問内容が違うという問題も結構あり、症例についての細かい脇の情報をしっかり覚えることが重要です。神経梅毒で治療直後に症状が一時的に悪くなる現象を何というか・・・(Jarisch-Herxheimer反応)など治療や予後だけ勉強していると見逃してしまうことも聞かれました。その他病理標本が提示されこのスケールバーは何マイクロメートルかなんていう試験的な問題も出されていました。

 

試験一週間後には試験結果が郵送されます。とりあえず安堵し1週間は何も勉強しないと誓う。その後二次試験に向けて診察手技、異常歩行の練習などをする。ネットで検索すると二次試験でどういうことを聞かれるかなどをブログで書いてくれている先輩方がおりそれも参考にしました。しかし基本的に対策が取れないので普段の臨床業務を普段通りやることが「場馴れ感」を演出するうえで重要と思います。

 

7月初旬、二次試験。場所は都市センターホテル。会場に少し早目について受付を済ませ本を読んだり診察道具の確認をする。(眼底鏡が半分壊れており焦って修理しました)診察手技20分、サマリー査問20分の計40分ですが質問に答えているとあっという間に時間は過ぎますので長くは感じません。部屋は10部屋以上に分かれておりその部屋にいる先生方もローテーションで変わるようなので完全に運です。私は幸運にもどちらの先生もfriendlyな方々で救われました。手技の方ではまずパーキンソン病の歩き方やってみてと言われ実演。丸薬丸め運動、前傾姿勢、小刻み、突進歩行などをオーバー気味にやったところよほどオーバーだったのかYahr1ではどうなる?と追加質問が飛びました。アームスイングの左右差だけがあり歩行障害が目立たないと答えましたがたぶん模範解答は「片側にしか症状がみられない」というのが正解と後で思いました。その後脳卒中の神経診察、NIHSSのつけ方(上肢10秒、下肢5秒挙上など)を口頭で説明、ヒステリーの鑑別の仕方などが聞かれもう一人の先生に交代。C7根障害が疑われる患者の所見はと聞かれやべーなと思いながらBTRとTTRの違いなどを説明しましたが腕橈骨筋障害の有無を聞きたかったようです。十分に答えられませんでしたが「ふざけんな!」という感じではなく答えに誘導してくれるような感じでした。

 

サマリー査問の方はまず経験症例で特に目立って多いもの(私の場合はパーキンソン病)について質問。ウェアリングオフ出現時の対策など。前日にガイドライン読んでおいたのでよっしゃと思いました。次に筋生検の症例でどんな疾患が疑われる人にやったの?(ホントにやっているのかの確認でしょう)NMOとMSの違いは?髄液所見、オリゴクローナルバンド、3椎体以上にまたがる縦長の病変と答えるとじゃあaxialでの違いはと聞かれドキッ!(半ば感で)左右差が出にくいと答えるとそうだよね、中心管付近の病変だよねとうまく誘導してくださいました。ありがとう先生。他認知症の鑑別の仕方、DLBのSPECTで見られる異常など。あまりサマリーの内容に触れるような質問はなかったのですが各先生による差もあると思います。ウェアリングオフ時の対策は自分でもドヤ顔できるくらい完璧に答えられたので「おうさすが」的なリアクションでしたが他は答えても全然正解、というリアクションではなく淡々と次の質問に移行するので自分の答えで満足されたのかどうか推し量れません。たぶんため息などが聞かれなければ大丈夫なんだと思います。

 

十分に答えられなかったことも2割くらいあったので若干不安でしたが無事合格通知を1週間後に頂きました。

 

長々書きましたが総評としては普段自分が見ていない疾患についても勉強する機会を得られること、このままじゃお前神経内科医としてヘボすぎるぞと再確認できることから受験は有用であると思います。正直勉強はわからないことだらけでキツイですが達成感はあります。以上、これから受けられる方に少しでも参考になれば幸いです。(船水記)

 

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