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Archive for 3月, 2012

第5回脳波・筋電図セミナーに参加してきました

3月 27th, 2012

3月3日(土)京都大学で主催の第5回脳波筋電図セミナーの脳波コースを受講してきました。3月の京都は暖かく青森のゴールデンウイーク時期のようなさわやかな気候で本当にうらやましく感じました。

 9時から17時までみっちり勉強してきました。「脳波・筋電図を基礎から学びたいひとのために」というセミナーでしたが、基礎だけでなく実践的な内容も多くとてもためになりました。私の受講した内容は「正常脳波の判読」「非てんかん性異常」「てんかん性異常と関連脳波所見」「小児脳波の基礎」「法的脳死判定」「脳波判読、所見のつけ方、症例検討」でした。特に「脳波判読、所見のつけ方、症例検討」の講義は、実際のEEGをみながらの検討でしたので有益でした。

 毎年この時期に開催されているようですので興味のある方は是非参加されてはいかがでしょうか。京都大学神経内科のホームページまたは日本神経生理学会に情報が掲載されております。

 個人的には、クリーブランドに滞在していた際にお世話になった先生にお会いしてご挨拶させて頂くことができたことが何より嬉しかったです。(木村)

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平成23年度 海外医療視察D研修団参加報告

3月 16th, 2012

この度、「平成23年度 海外医療視察D研修団(2012年2月25日~3月2日)」に参加させていただきました.

これまでの本ブログに残る当科の業績集を見ていただければわかりますように、ほぼ毎年のように海外での国際学会発表や英論制作をこなす先生方がそろう当神経内科医局の中で、私自身は学会出張に行くにしても専門医維持のために国内で年に1~2回程度、さらに論文も書かないという「出不精」の「堕落者」で通していました.日々臨床をなんとかふらふらとこなしている程度の能力しか持たず,語学も不得意なため,海外出張などとは夢にも思っていなかった,というよりはそのような機会は出来るだけ避けてさえいたのですが,馬場部長ほか周囲の先生方の「たまには海外にでも行って見聞を広めてくるように」というありがたい励ましによって,約8年?ぶりの海外出張となりました.

今回の視察団のメンバーは全国の自治体病院から集まった医師3名・看護師1名・事務職1名からなる総勢5人のメンバーと添乗員1名の計6人の日本発組に現地の日本人通訳さんがつくといった小集団であり,視察団長のもと終始和気あいあいとした良い雰囲気での視察でした.

さて赴いた先は自身の希望選択とはいえ,冬の!北欧・フィンランドとスウェーデン.オーロラを見ることが出来るほどの緯度ではないにしても,この時期,個人旅行の行き先としてはまずは選ばないであろう地への,寒さを覚悟しての旅立ちでした.

2月25日土曜日,日本から一番近いヨーロッパということで成田から10時間ほどのフライトでヘルシンキ空港に到着.機内から見るヘルシンキ空港とその周辺の景色はあたかも真冬の北海道千歳空港の様な趣があり,北海道出身の私としてはどこか懐かしい雰囲気を感じてのフィンランド着でした.さて滞在先のヘルシンキは青森の気候を2~3週間ほど逆戻りさせたような冬景色.土曜日の午後の到着で翌日曜日はヘルシンキ市内の大半の商店などが休業していることもあって,一国の首都としては素朴な雰囲気と感じました.到着翌日の日曜日は現地の日本人通訳の方からフィンランドの国民性などの説明を受けながら,ヘルシンキ市内とその周辺を視察しました.凍りついたバルト海に浮かぶ寒風吹きすさぶスオメンリンナの散策もまた良い思い出となりました.2

ヘルシンキ市内視察翌日の月曜日にはヘルシンキより100㎞ほど離れたハーメリンナにあるカンタ・ハーメ中央総合病院を視察しました.ここではフィンランドの医療全般の説明を受けた後,ハーメリンナが所属する医療圏における救急医療体制を如何に確立し,今後さらに充実させていくのかという話題が取り上げられました.その後病院内の設備などを実際に見学しました.応対していただいた救急内科主任の先生が「かつてアメリカに行った時に、フィンランドの救急医療体制はアメリカに比べて30年遅れていると言われた.いまはその遅れを10年でも取り戻すように努力している」という主旨の発言をされていました.またより良い救急医療の供給のため医療・行政・メディアが一体となって市民に教育・広報活動を行っているなど様々なお話を聞くことが出来ました.日本や青森県の救急医療の体制を考えるにあたってフィンランド人の合理性について学ぶべきところが大であると感じました.

午後には再びヘルシンキに戻りました.車の中から眺める月曜午後のヘルシンキの街は,前日より華やかさをましていましたが残念ながらこの日は市内散策などの時間的余裕はなく,次の目的地に向けてシリアライン(シリア・シンフォニー号)に乗船.1一路次の視察地であるスウェーデン・ストックホルムに向けバルト海に乗り出しました.

シリア・シンフォニー号で一泊し到着した朝のストックホルムの街は霧のかかったほの暗い雪景色.雪のストックホルム市内をノーベル賞の晩餐会で有名な市庁舎や王宮などを視察しつつ移動し,高齢者施設(Kattrumpstullen)に向かいました.ここではスウェーデンにおける高齢者や認知症の患者の施設利用状況についての説明を受け,施設内設備の見学を行いました.ここでもフィンランドのカンタ・ハーメ中央総合病院視察時と同様に,高齢者・認知症患者の施設利用に対するスウェーデン人の合理性に頷くことが多々ありました.その一方で対応していただいた施設の副所長の方に「スウェーデンではあなたは安心して老後を迎えられますか」とお聞きしたところ即座に「いいえ」とのお返事でした.福祉国家と言われていても高齢者・認知症患者と施設を取り巻く問題点が種々あることも説明を受けました.

翌日は天候も回復し前日街を薄くおおっていた霧も消え,わずかに積っていた雪も解けて鮮やかな北欧の都ストックホルムの街並みが広がりました.それでも風が吹けば寒さが身にしみる気候はさすがに冬の北欧といった感がありました.3

この日はストックホルムにあるスゥドラ総合病院を視察.同院の救命センターを見学後,スウェーデンの医療全般と同院における救命救急医療についての問題点,医療情報のOn line化についてのスウェーデン国内での賛否,あるいは同院の運営を如何に機能的なものにしていくのか,などなど多くの話題について説明を受けました.その後整形外科の病棟の見学も行いました.同病棟ではナースステーションは廃止した新たなシステムで看護をしているとのことでした.対応していただいた同院の内科部長や看護師の話にたびたび出ていたことは,単に設備の側面からだけではなく現場で働く人間の意識改革や組織のありかたそのものから変えていくという発想であり,それは「トヨタ方式」であると説明されました.しかしながら日本の一現場医師である私には「トヨタ方式?」という感じであり,「われわれは日本のやり方を学んでいるのですよ」という主旨のことを言われやや気恥ずかしくもありました.少なくても日本の医療の現場で「トヨタ方式」の考えは浸透していないと思いますがいかがなものなのでしょうか.これは私が医療現場の末端構成員であり,全体像を俯瞰する立場に無いから気付かないだけかもしれませんが…

同院視察終了後のわずかな残り時間を利用してストックホルム市内散策しました.4

翌3月1日にストックホルムをたちヘルシンキで乗り換え無事日本に帰国しましたのは3月2日午前.その後成田空港で視察団は解散し今回の一連の視察旅行は終わりました.

今回の視察で感じたとことは「欧州人というのは合理(理論・理想)的な人々だなぁ」と言うことでした.その他にはフィンランド・スウェーデンは北国出身者の私にとって割と肌にあう土地かもしれないということ.しかしながら飛行機で3時間以上の地はやはり私には遠い遠い土地であるということでしょうか.

以上簡単ながら今回の海外視察の御報告でした.

今回私の様なものに海外視察の機会を与えてくださいました全国自治体病院協議会,青森県立中央病院関係者の皆さん,フィンランド・スウェーデンの旅をご一緒した視察団の皆さん,我々に同行していた日通旅行の添乗員さん(何かとお世話していただきました),現地通訳の方々(本当に助かりました),一週間もの間現場を離れ海外視察を許していただきました馬場部長をはじめとする当科神経内科の同僚の皆さん,そしてなりよりも私たち医療従事者に海外視察を許してくださる国民・県民の皆様に心より感謝申し上げます.

今回の視察で得た所感を日々の臨床に役立てるように心していきたいと思います.

青森県立中央病院 神経内科 副部長 新井 陽 記

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部長日記2012.03.06  神経学会東北地方会

3月 9th, 2012

 春の日本神経学会地方会が仙台でありました.当科からは「IVIgが奏功したCMT兄弟例」と「Streptococcus sanguisによる髄膜炎の2例」の発表があり,前者は当科後期研修医の船水章央先生,後者は初期研修2年目の天間聡子先生が口演しました.事前にオーベンの先生方の緻密なチェックが入ったこともあって,スライドの出来はもちろん言葉も明快で,これらの症例が持つインパクトやメッセージ性が即座に理解できる100点満点の出来でした.船水DrのセッションではCMTに対するIVIg治療の根拠など根源的なディスカッションが沸騰し,座長から新しい内容を含んだ重要な発表と高く評価されました.これに関しては,欧米におけるIVIg治療の潮流について小生も追加発言させてもらいました.また,天間Drは学会発表デビュー戦でしたので,指導医の三木康生先生も待機するなど万全の態勢で望みましたが,そんな心配はまったく無用,抗生物質の使い方に関する質問などにも天間Dr自身が的確に答えるなど,まるで百戦錬磨の神経内科医のようでした.

終了後,船水天間両Drと小生の三人で記念写真を撮ってもらったのですが,手振れ軽減機能を越えたブレのため,ピンボケでした.残念.ただ,質問に答えている天間Drの堂々たる発表ぶりはきちんと映っていましたから,ここに掲載します.4なお,天間Drは新年度から神経内科医を目指して当科でneurologyの研修を始める予定です.若い力に期待しています.

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