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Archive for 11月, 2011

XXth World Congress of Neurology参加記

11月 28th, 2011

11月12日から17日までモロッコのマラケシュで開催されたWorld Congress of Neurologyに参加しました。当神経内科からは2演題の発表がありました。今年5月に当地でのテロがあったため、当学会の参加をみおくられた方も多いと聞いていましたが、現地は 私が感じる限りでは、のんびりした街の様子でした。日本からの演題は30前後であったようです。2

アフリカでの学会ということで、どのような会かと思いながら参加しましたが、大変立派な会場で盛大に開催されていました。世界的に著名な先生方の講演や、これまでほとんど私自身は知ることのなかったアフリカ各国での神経疾患の報告など興味深い発表がたくさんありました。日本の先生方の講演もいくつかあり、普段日本語で拝聴することのある先生がたの講演を英語で聴いてみるというのも興味深い経験でした。毎回国際学会に参加するたびに思うことではありますが、自分の英語能力にはかなり問題があることを深く自覚し、反省した旅でもありました。学会企画のツアーでは、海外の方と昼食をともにするというやや苦しい場もあり、自らの英語の不勉強を深く呪いました。日本の青森から来たというと、福島はどうなのか 地震はどうだったか。といろんな方に質問されました。今回、はじめてのアラブ圏の旅でしたが、これまで訪れたことのある国とはだいぶ趣がことなり、大変興味深い旅となりました。マラケシュのスークの雑踏の雰囲気や、モロッコの料理のおいしさ、やたら押しの強い現地の人々、1日に何回も聞こえるお祈りの声など来てみなくてはわからないことがたくさんありました。国際学会は、毎回出発するまでの準備がとても大変で、特に今回は、国内の他の学会の発表と日程がきわめて近かったため、これまでにないくらい大変な思いをしましたが(実際すべてが間に合わないかと思うくらいでした)、遠路はるばるアフリカまできたかいがあったというものです。日々診療におわれていると、なかなか演題をつくっていくのも大変ではありますが、なんとか細々とこのような機会をもうけていきたいと思っています。4

最後に、国内学会とあわせて約10日間の長い出張の機会を与えてくださった医局のみなさんと、私のいない間の子供たちの世話などをひきうけてくれた両親、こころよく私をおくりだしてくれた夫に感謝したいと思います。(村上)

 

発表演題:

Baba M, Suzuki C, Nishijima H, Miki Y, Kimura T, Arai A, Tomiyama M: Stress of carpal tunnel to the diabetic median nerve.

Suzuki C, Baba M, Sugimoto K, Yagihashi S: The correlation between loss of interaepidermal nerve fiber densities (IENFD) and nerve conduction abnormalities in diabetes mellitus.

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論文発表 Lancet

11月 24th, 2011

村上(鈴木)千恵子先生の症例報告がLancetに掲載されました。

Suzuki C, Ueno T, Nishijim H, Haga R, Miki Y, Arai A, Tomiyama M, Baba M. Fever of  unknown origin.
Lancet. 2011 Nov 12;378(9804):1756.
解離性大動脈瘤は胸痛などの典型的な症状を欠く場合診断が困難な例が多い。本症例は発熱を契機に当科に入院。精査により解離性大動脈瘤が発見された。経過中胸痛などの症状はなく、唯一の症状は発熱であった。文献によると大動脈瘤の30%に発熱が出現すると報告されているが、一般的に周知されているとはいいがたい。稀ではあるが、発熱が主訴となる大動脈瘤の患者も存在する可能性があり、注意が必要である。
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第16回日本神経感染症学会学術集会

11月 17th, 2011

10月29日、11月4日にそれぞれ第18回東北神経病理研究会、第16回日本神経感染症学会学術集会で発表して参りました。演題はともにアスペルギルス血管炎を病理学的に突き止めた1剖検例についてでした。血液検査では原因を突き止めることは出来ず、剖検で病理学的にアスペルギルス血管炎と診断された1例です。
さて、このアスペルギルスという真菌はどこにでもいる真菌ですが、そもそも人を寄生対象としません。しかし、感染を一旦起こすと、厄介な臨床経過をたどります。特に血管親和性が強く、しばしば脳梗塞やくも膜下出血などの血管障害を起こします。そして、困った事に血液検査でアスペルギルス抗原の感度は従来法では低く、さらに抗真菌薬がすでに投与されていた場合、さらに感度が低くなり、確定診断がつきにくくなります。その様な状況から臨床的に真菌感染症を疑えば、検査所見が仮に陰性でも治療を継続せざるを得ない症例もでてきます。しかし、実際には、確たる証拠なく、副作用の強い抗真菌薬を使い続けるには勇気と豊富な臨床経験を要します。この様な症例を通して真菌感染症に対する治療姿勢を改めて考え、襟を正した次第です。

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第41回日本臨床神経生理学会

11月 16th, 2011

臨床神経生理学会に出席してきました。今年の臨床神経生理学会は、静岡での開催です。私は、幼少のころ 静岡にすんでいたことがあり、このたび約30年ぶりの再訪となりました。静岡といえば富士山。きれいな富士山を見られることを期待していたのですが生憎のお天気で、姿をおがむことはできませんでした。それでも、新幹線の車窓からはお茶畑や、ミカン畑がみえて、静岡らしさを感じることができました。青森は、すっかり草木は枯れてしまい、冬枯れの様相ですが、さすが静岡、木や草がまだ緑色です。これから冬をむかえるやや気持ちの暗い今日この頃の私としては、温暖なこの地がうらやましいかぎりです。
 さて、このたび、当神経内科からは2つの発表がありました。ポスター発表が1つと、ワークショップでの口演が一つです。口演は問題症例の神経伝導と筋電図というワークショップでの発表でした。このワークショップは、提示する症例の実際の筋電図や、伝導検査の波形を提示し、討論するという形式で行われます。フロアからも 厳しい質問や意見がちょくちょくでて、演者としては、やや緊張する場ですが、なんとか無事終了しました。他の施設からの症例も大変興味深く、電気生理診断の重要性を再認識させられました。もっと スキルと知識を深めなくてはと、気持ちを新たにさせられました。
 さて、今年は、このあと、モロッコで開催されるWorld Congress of Neurologyに出席する予定があり、静岡からモロッコ!に直接むかいます。一人でモロッコまででかけるので、無事つけるかどうかやや心配ですが……(村上)

第41回日本臨床神経生理学術大会 当施設からの発表
鈴木千恵子:糖尿病患者における皮膚無髄感覚神経線維密度と神経伝導検査との相関
鈴木千恵子:ワークショップ 問題症例の検討・筋電図・神経伝導 :γグロブリン大量静注療法が奏功した末梢神経障害の兄弟例

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部長日記 2011.10.11   村上千恵子先生のケースレポートがLancetに

11月 2nd, 2011

村上千恵子先生が書かれたケースレポートが Lancet 誌にアクセプトされました! LancetのCase Report欄は世界中の臨床家がしのぎを削って掲載を競う超激戦区.毎週1例だけの掲載で,その受理率は数十分の一とも数百分の一とも云われ,投稿された論文のほとんどが“Sorry!”の一言で送り返されるといって過言でありません.一部の専門家好みの視野の狭い論文は決して採択されず,一見ありふれた徴候の背後に隠された医学の原理を研ぎ澄まされた感覚で鮮明に描き出したと認められた論文のみが掲載を許されます.そのような1例経験の共有が世界中で沢山の患者を救うきっかけになるような.それが30点以上と云う高いインパクトファクターを生み出しているのでしょう.Natureへの研究論文掲載がscientistの証であるように,Lancetにケースレポートが採択されることは確かな眼を持った一流のclinicianとして認められたことにほかなりません.日ごろから1例1例をしっかりと見つめる.その積み重ねから珠玉のケースレポートが可能になります.NatureもLancetも,受理前に著者の過去の論文,症例報告に関する厳しいチェックがはいりますが,村上先生の報告に即座に反応したLancet編集者の慧眼,さすがです.今年中には出ると思います.内容はお楽しみに.

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