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Archive for 1月, 2010

論文発表ーNeurological Science

1月 28th, 2010

Neurological Sciencesに論文がacceptされました。

Cerebral venous thrombosis with dural arteriovenous fistulas and antiphospholipid syndrome: a case report.

○三木康生 (Miki Y, Tomiyama M, Arai A, Kimura T, Suzuki C, Nunomura J,
Midorikawa H, Nishimura S, Nishijima M, Baba M.)
Neurol Sci. 2009 Oct 6. [Epub ahead of print]
症例は38歳、男性。サラダに水をかける、簡単な計算ができないなどの異常行動にて発症。当科受診時、意識はJCS3、思考緩慢でかつ注意散漫であった。MMSEは22/30点、The Rey-Osterrieth figure testでは視覚性および言語性記憶に障害を認めた。血液検査ではβ2GPI依存性抗リン脂質抗体が異常高値であった。頭部MRIでは両側視床に対称性の高信号域を呈し、MRVでは直静脈洞が閉塞していた。さらに、脳血管撮影ではGalenの静脈に多数の硬膜動静脈ろうを認め、血流は視床に逆流していた。以上から、抗リン脂質抗体症候群を伴う深部静脈洞血栓症と診断した。硬膜動静脈ろうに対し、transarterial embolisationを施行した後、外科的に切除した。術後、注意散漫、思考緩慢、The Rey-Osterrieth figure test、頭部MRIで見られた両側視床病変は著明に改善した。
深部静脈洞血栓症および硬膜動静脈ろうは疾患形成にともに影響しているとされるが、どちらが先におこるかは不明である。Hurstらは硬膜動静脈ろうを伴う深部静脈洞血栓症を検討し、全ての症例で54歳以上であったと報告した。本例で摘出した硬膜動静脈ろうを含む組織は多数の動静脈シャントを形成していた。静脈壁は多層性の弾性線維化が見られ、動脈血が慢性に血行力学的ダメージを与えていると考えられ、動静脈ろうは深部静脈洞血栓症が形成された前より存在していると推測された。そして、本例では38歳と若年であったが抗リン脂質抗体症候群が血栓形成を相乗的に早めたと考えられた。 

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Fighting Vascular Events in AOMORI 学術講演会

1月 25th, 2010

1月21日脳卒中の研究会がありました。
当科の羽賀先生が、当院脳卒中ユニットの現状をまとめて発表しました。当院では、約40%の方が3時間以内に受診している一方で、1日以上たってから受診している方も多く、今後の啓蒙活動が必要であると考えられました。 さて、いつもであれば 写真があるのですが、今回は写真係の馬場部長が、発表者より緊張してしまったとのことで、写真をとるのを忘れてしまったそうです。 特別講演は岩手医大の寺山先生の御講演でしたが、当院脳卒中ユニットのスタッフも多数参加し、大変わかりやすく勉強になったと評判でした。

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大雪

1月 22nd, 2010

年内は雪のすくなかった青森ですが、年があけてから、大雪がつづいています。吹雪のときは、視界がわるく、運転中に 前の車がみえなくなってしまうこともしばしばで 通勤は命がけです。雪の季節はあと1か月と少しですが、なんとか無事にすごしたいものです。

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春期実習生募集!

1月 15th, 2010

当科では、春休み期間を利用した 実習生を募集しています。脳卒中から神経変性疾患まで、症例豊富な当科で実習してみませんか。期間、時期についてはご相談に応じます。宿舎もご用意できますので、興味のある方のご連絡をおまちしています。

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部長日記 10 新年の勉強会や研究のことなど・・・「患者診ずして研究無し」

1月 8th, 2010

明けましておめでとうございます。

県病神経内科では昨年末ギリギリまでいろいろな研究会があり、とても充実した1年でした。年が変って、今月は1月21日、岩手医大神内寺山先生のご参加を得ての脳梗塞診療ガイドラインの勉強会に始まり、23日に福島医大神内の宇川先生との不随意運動の勉強会、2月は4日に順天堂大神内服部先生とパーキンソン病の、12日に京大神経内科の池田先生とてんかんの勉強会をすることになっています。今年もまた熱いディスカッションが楽しみです。新年早々のドカ雪にめげず、関係諸先生方のご参集をお待ちしております。

この1年、若い先生方の成長には眼をみはるものがありました。その結果、診療体制の充実はもちろん臨床研究体制も着々整ってきました。三木先生によるパーキンソン病皮下神経Lewy小体の発見は全員の協力体制のもとで行われた世界的成果でしたし、沢山の症例の中にはあっと驚くような発見が沢山ありました。本日(1月7日)の総回診も、LEMS、Ophthalmoplegia plus、亜急性ataxia+OD、後骨間神経麻痺と見紛うCVDなど、新年早々目から鱗が落ちるような新入院が目白押しで、excitingなものでした。

ところで、医学の世界には「遊びの研究」というものがあります。そのときの流行に乗ってデータを弄ぶような研究とでも云いましょうか。実際上、臨床的リアリティからかけ離れた基礎研究は臨床医学や医療にとってまことに有害です。いわば患者そっちのけの研究で、患者の苦悩が置き去りにされるからです。ロンドンで研究を始めて間もない頃、ある高名な米国人Neurologistによる講演会のあとGilliatt先生が小生の研究室に来られ、「今日の講演内容をどう思うか」と問われたあと、続けて「患者診ずして研究なし、心するように」と言われたことが忘れられません。臨床基盤のない「まゆつばの研究」だとの批判でした。県病神経内科では、来春4月から後期研修医のDrたちが弘大病理、神経病理、神経生理学教室の社会人大学院生として各々自前の謎解き挑戦を開始する予定ですが、臨床医学研究では患者と共に歩まずして動物実験などありえないこと、若いDrたちに身を持って体験していただきたいと思います。

小生はと云うと、畏友八木橋操六、額田均両先生と共に糖尿病性神経障害の病態解析にもう少し切り込みたいと思っています。30数年前に恩師後藤由夫先生から「糖尿病神経障害の電気生理診断基準を作れ」といわれて以来ずっと目標にしてきた課題で、世界中未だ誰も成功していませんが、残された数年で何とかメドがつけられそうです。今年もよろしくお願いします。

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