第43回神経内科専門医試験体験記

8月 4th, 2017

当神経内科の船水先生が無事 神経内科専門医試験に合格しました!おめでとうございます。船水先生から合格体験記がとどきました。

 

非常に厳しい戦いでしたが、何とか専門医試験に合格することができました。これから試験を受けられる方向けに、専門医試験を受験して思ったことを書いてみます。

2017年1月 試験を受ける覚悟を決める。(ここが一番重要)神経内科の専門医は内科系専門医の中でも特に難しいと聞いており、ずっと物怖じしていましたが周りからのプレッシャーとついに後輩が受けるとの無言の圧力があり、ついに受験の意思を(半ば受動的に)きめました。

2月 神経領域のカテゴリー別に症例サマリー10例を作成。当科では急性期疾患、慢性器疾患を広く受け持たせてもらえるので症例選びにはさほど困りませんでした。しかし神経内科になりたてのときに受け持った症例などもあったので記憶を呼び起こしてカルテを確認しながら記載。上司の西嶌、冨山先生にチェックしていただき赤ペンで修正だらけになったのを手直しし何とか仕上げました。

3月 勉強開始。まずは過去問をとにかくやってみる。・・・予想していたものの全く持って解けず。先輩方から解けないよーとは聞いていたもののほんとに全く解けない。まず問題文の意味も分からないレベル。本当に日本語かと疑うほど(実際横文字は多いのだが)。過去問解く→絶望→現実逃避→過去問の絶望スパイラル。仮にも臨床医を数年やっているのにもかかわらずこれほど解けないことに情けなくなる。しかし臨床とテストは別物!と自分に言い聞かせ、周りからの励ましを受けながら解き進めました。一次試験は必修、臨床、一般とカテゴライズされているため、まだ比較的わかる必修をとりあえず3年分やり、その後臨床、一般と解いていきました。臨床はやはり普段の実臨床の分とっかかりがあるのですが、不勉強は私には基礎知識を問われる一般が一番きつかったです。そして私の受験に合わせるかのように神経学会公認の問題集(青本)が出てくれましたのでこれを購入し何週かしました。問題量はかなり少ないのですが問題の次のページに解説がしっかり書かれているのでそれを読み、追加で調べたいと思った問題の疾患の情報を調べルーズリーフに書き込んでいきました。青本の後にさらに過去5年分の過去問を解き、試験直前にもう一度青本で自分がミスった問題を見直す、というスタイルで過ごしました。以前受けた先輩には「神経内科ハンドブックを2回くらい通読しないと落ちるよ」と言われており俺もやろうと数ページ読んですぐに俺には無理!と素直に諦めました。その間に月1回くらい埼玉在住の後輩と東京で勉強したのですが、お互いの刺激になり下がり気味のモチベーションの賦活が得られるのでかなり良かったです。よって誰かほかの人と一緒に受けるのを強くお勧めします。

6月 一次試験受ける。会場は東大駒場キャンパス。周りはみんなじゃがいもに見えるよう自己暗示。試験時間を計りながらの勉強はしてなかったので時間配分が心配でしたが急ぎ目でやって充分見直しに時間が取れるくらいでした。必修は体感で8割は行けたかと思うくらいの難度でした。一般、臨床はうーん、5割は行けたかなーくらいでしたが初見殺しと思うような手も足も出ない問題もいくつかありました。臨床は大門に小門がいくつかという形式なので何の疾患かすらわからないとかなり焦りますが気持ちを切り替え取れる問題を取る、という心意気が重要な気がします。青本で見たのがそっくりそのまま出ている問題も数例あったのでやはり青本重要です。その他も過去問と症例は似ているが設問内容が違うという問題も結構あり、症例についての細かい脇の情報をしっかり覚えることが重要です。神経梅毒で治療直後に症状が一時的に悪くなる現象を何というか・・・(Jarisch-Herxheimer反応)など治療や予後だけ勉強していると見逃してしまうことも聞かれました。その他病理標本が提示されこのスケールバーは何マイクロメートルかなんていう試験的な問題も出されていました。

 

試験一週間後には試験結果が郵送されます。とりあえず安堵し1週間は何も勉強しないと誓う。その後二次試験に向けて診察手技、異常歩行の練習などをする。ネットで検索すると二次試験でどういうことを聞かれるかなどをブログで書いてくれている先輩方がおりそれも参考にしました。しかし基本的に対策が取れないので普段の臨床業務を普段通りやることが「場馴れ感」を演出するうえで重要と思います。

 

7月初旬、二次試験。場所は都市センターホテル。会場に少し早目について受付を済ませ本を読んだり診察道具の確認をする。(眼底鏡が半分壊れており焦って修理しました)診察手技20分、サマリー査問20分の計40分ですが質問に答えているとあっという間に時間は過ぎますので長くは感じません。部屋は10部屋以上に分かれておりその部屋にいる先生方もローテーションで変わるようなので完全に運です。私は幸運にもどちらの先生もfriendlyな方々で救われました。手技の方ではまずパーキンソン病の歩き方やってみてと言われ実演。丸薬丸め運動、前傾姿勢、小刻み、突進歩行などをオーバー気味にやったところよほどオーバーだったのかYahr1ではどうなる?と追加質問が飛びました。アームスイングの左右差だけがあり歩行障害が目立たないと答えましたがたぶん模範解答は「片側にしか症状がみられない」というのが正解と後で思いました。その後脳卒中の神経診察、NIHSSのつけ方(上肢10秒、下肢5秒挙上など)を口頭で説明、ヒステリーの鑑別の仕方などが聞かれもう一人の先生に交代。C7根障害が疑われる患者の所見はと聞かれやべーなと思いながらBTRとTTRの違いなどを説明しましたが腕橈骨筋障害の有無を聞きたかったようです。十分に答えられませんでしたが「ふざけんな!」という感じではなく答えに誘導してくれるような感じでした。

 

サマリー査問の方はまず経験症例で特に目立って多いもの(私の場合はパーキンソン病)について質問。ウェアリングオフ出現時の対策など。前日にガイドライン読んでおいたのでよっしゃと思いました。次に筋生検の症例でどんな疾患が疑われる人にやったの?(ホントにやっているのかの確認でしょう)NMOとMSの違いは?髄液所見、オリゴクローナルバンド、3椎体以上にまたがる縦長の病変と答えるとじゃあaxialでの違いはと聞かれドキッ!(半ば感で)左右差が出にくいと答えるとそうだよね、中心管付近の病変だよねとうまく誘導してくださいました。ありがとう先生。他認知症の鑑別の仕方、DLBのSPECTで見られる異常など。あまりサマリーの内容に触れるような質問はなかったのですが各先生による差もあると思います。ウェアリングオフ時の対策は自分でもドヤ顔できるくらい完璧に答えられたので「おうさすが」的なリアクションでしたが他は答えても全然正解、というリアクションではなく淡々と次の質問に移行するので自分の答えで満足されたのかどうか推し量れません。たぶんため息などが聞かれなければ大丈夫なんだと思います。

 

十分に答えられなかったことも2割くらいあったので若干不安でしたが無事合格通知を1週間後に頂きました。

 

長々書きましたが総評としては普段自分が見ていない疾患についても勉強する機会を得られること、このままじゃお前神経内科医としてヘボすぎるぞと再確認できることから受験は有用であると思います。正直勉強はわからないことだらけでキツイですが達成感はあります。以上、これから受けられる方に少しでも参考になれば幸いです。(船水記)

 

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後期研修医、夏期実習生募集

7月 30th, 2017

青森県立中央病院神経内科では、後期研修医および、神経内科医師を募集しています。当科は青森県内で最大の規模で、慢性疾患から急性疾患まで、幅広い疾患の診療にあたっています。興味のある分野で専門性をのばしていくことが可能です。また社会人学生として、弘前大学で学位を取得することも可能です。神経内科専門医 総合内科専門医などの資格取得も責任をもって指導いたします。

青森県内は、神経内科医が大変不足しています。後期研修医だけではなく、青森県で 神経内科医として働いてみたい方、当科では人材を随時募集中です。

ご興味のある方は、当科までご連絡ください。

また例年のように、夏期実習生も募集しています。見学など大歓迎です。

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第14回日本臨床神経生理学会神経筋診断セミナー

7月 19th, 2017

今年も7月はじめに暑い東京で、日本臨床神経生理学会主催神経筋診断セミナーが開催されました。当科からは、私村上と馬場が、講師として参加しました。若干受講料は高めですが、木村淳先生はじめ、神経筋電気診断の大御所の先生方が、講師として多数参加し、直接指導していただけるということを考えると、大変お得な会だと思います。今年は、講師の先生みずからの病歴を披露し、そこから推察される筋電図所見を考え、さらに、自ら被験者となり、その所見を提示するという企画もあり、大変もりあがりました。講師の先生方が、喜々として、参加されているのが大変印象的でした。

いつもは、筋電図室で、黙々と行っている検査を、受講者の皆様に説明しながら行いかつ教えるというのは、私にとってはなかなか難しく、例年のことではありますが、大変緊張します。今年も、東京の暑さと緊張で、汗だくになって2日間が終了しました。

例年 参加申し込みがはじまるとすぐに定員に達してしまうようですが、ご興味のある方のご参加をおまちしています。

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21st INTERNATIONAL CONGRESS OF PARKINSON’S DISEASE AND MOVEMENT DISORDERS

6月 20th, 2017

カナダ、バンクーバー市にて6/4-6/8まで開催された第21回国際パーキンソン病運動障害コングレスに冨山部長と今が参加してきました。この学会は年に一回パーキンソン病及びその類縁疾患に関する最新の知見について世界中の臨床医、研究者が一同に会して意見交換する大きな学会です。正確な人数はわかりませんが、おそらく5000-6000人くらい参加していたものと思います。当科からは冨山部長が「Driving license and car accidents in patients with Parkinson’s disease」という題で演題発表されました。青森県内でパーキンソン病特定疾患認定を受けている1417人の患者さんにアンケートをお願いして、回答の得られた576人の運転状況と日中の眠気、内服状況について調べた研究です。結果、麦角系のドパミンアゴニストを内服している患者さんが運転事故をより起こしていたという、これまで一般的に言われていたこととは逆の結果でした。そのため、様々な国のDrと活発な議論が行われました。青森のように車がないと生活できない田舎と大都会、その国の医療状況(薬の販売状況)などで状況は変わるのかもしれず、面白い研究結果だと思います。

学会は内容が興味深いものが多く、朝8時から夜10時過ぎまでスケジュールがあり、ハードでしたが、勉強になりました。御高名な先生や若手の先生など様々な先生とお話しする機会が持てて良かったです。みっちり学会に参加したため、あまり観光はしませんでしたが、学会場が街の中心部にあり大型客船の寄港する港のすぐそばでしたので、学会場からきれいなバンク―バーの街並みを楽しむことができました。懇親会ではオリンピックの聖火台に火をつけてくれました。今回私は演題を出せませんでしたが次回は是非!と思いました。(文責 今)

 

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第60回日本糖尿病学会

6月 11th, 2017

名古屋で開催された糖尿病学会に参加してきました。当神経内科からは、馬場先生が教育講演、私が糖尿病性ニューロパチーのシンポジウムで発表をしてきました。ここ数年取り組んでいるsmall fiberの機能評価についてのおはなしをさせていただきました。

糖尿病学会は、名古屋国際会議場をメイン会場とし、市内3か所の会場で開催される大変巨大な学会です。ポスターのメイン会場は、なんと国際会議場の地下駐車場で、はしからはじまで、びっちりポスターが展示してあり、やや薄暗いなか、目当てのポスターをさがすのにも一苦労です。どこの会場もたくさんの人であふれていましたが、ここに集っているすべての人が「糖尿病」という一つの病気に関心があるのかと思うと、ちょっと驚くべきものがあります。看護師さん、栄養士さんなどのコメディカルの方の発表も、神経学会と比べてかなり多く、コメディカルを対象としたシンポジウムもあったようです。コメディカルの方の学会参加といった点で 糖尿病学会はだいぶ進んでいるという印象をもちました。神経学会と同じように英語のプログラムも多くありましたが、英語での教育講演やシンポジウムにはすべて同時通訳がついていたようです。私の発表したシンポジウムでは外国からの演者が2人日本人4人という構成でしたが、これにも同時通訳がついていました。英語が重要であることには異論はありませんが、英語の不得手な聴衆にも十分に理解してもらうという点で、同時通訳は、大変よい試みであると思いました。神経学会でも是非採用していただきたいです。

糖尿病学会では、毎年Morning Runというイベントがあるそうで、参加してみました。今年は名古屋城のまわりを早朝4km弱はしるというコースで、ゲストランナーは 金メダリストの高橋尚子さんでした。Qちゃんよんでくるとは、糖尿病学会なかなかやります。開会式のあと、Qちゃんと一緒に準備体操をして、コース中2か所でハイタッチもしてもらったし、大満足です。

同じ医学系の学会ですが、神経学会とは結構雰囲気がちがう感じでなかなか興味深かったです。シンポジウムの発表は、この分野のご高名な先生方とご一緒させていただくこととなり、とても緊張しましたが、貴重な経験をさせていただきました。関係の皆様に感謝申し上げます。(村上)

 

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青森けんみん公開講座ー脳卒中ー

4月 13th, 2017

4月23日 脳卒中のけんみん公開講座が開催されます。皆様ふるってご参加ください。入場無料です。

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新メンバーです

4月 9th, 2017

春になって、脳神経センターに、新しいメンバーを迎えました。皆様よろしくおねがいいたします。

 

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第42回 日本脳卒中学会

3月 27th, 2017

2017年3月16-19日に大阪国際会議場で第42回日本脳卒中学術集会があり参加してきました。当科からは冨山先生、布村先生、今先生、私の4名が演題発表をしてきました。学会では、椎骨動脈解離やDOAC、stroke mimicsの発表などを見てきました。特に、3月18日のランチョンセミナーであったASLとstroke mimicsの話は、実際に私たちも通常の業務で使用しているMRIの撮像法でしたので、病態の解釈の仕方など興味深く拝聴しました。

当院ではリハビリ専門のDrが不在のため、今回リハビリの先生方の発表を少しだけお手伝いさせて頂きました。左半球脳卒中で失語・失行、右半球脳卒中で半側空間無視・病態失認・身体失認がある症例で最終的に麻痺の改善がどうなるのかといった発表をしてきました。私自信リハビリの知識が不足していましたので、リハビリ関連の文献などを一緒に読み、リハビリの先生方の考え方をきくことができて大変勉強になりました。そして、リハビリの先生方が次に向けて新たな発想が生まれてきていたことに感心しました。当日の発表では、二人とも相当緊張されているようでしたが、練習通りに発表をし、想定内の質問もあり、固まってしまうこともなく無事に発表を終えていました。

臨床での疑問⇒臨床研究⇒学会発表⇒論文作成といった一連の過程をとることでさらに、学会発表のスキルが向上し、今回以上に良い研究ができ、臨床へもfeedbackされるかと思います。今後は今回の発表した演題を、質問であった内容も踏まえて、青森県立中央病院医誌に論文投稿できるような形で是非まとめていただき、来年も継続して頂きたいと思います。(上野記)

 

 

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神経学会東北地方会―引地先生デビュー

3月 21st, 2017

この週末は、仙台で恒例の春の神経学会東北地方会があり、今回は研修医の引地浩基Drが初舞台を踏みました。発表症例は「抗MOG抗体陽性の視神経周囲炎」。例によって神内医局で2度のリハーサルを経て臨んだ引地Drの発表は簡潔かつ明快なもので、とても初めての演壇とは思えない堂々たるものでした。プレゼン後のフロアからの質問に対しても、質問者の方をしっかりと見据えて明快に説明、万が一の補足に備えてフロアに陣取った先輩たちの微かな危惧さえも完全に吹き飛ばす素晴らしい出来栄えでした。一方、新井Drによる「町議会議員の顔が分からなくなり失職したタクシー運転手」の発表は引地Drの発表と完全に同一時刻の別会場。小生は引地Drの発表の後に急いで移動したのでしたが、新井Drの姿はすでに演壇上になく、聴きそびれました。残念。(馬場記)

新井先生の久しぶりの地方会発表は、さすがベテラン。おちついた発表ぶりでした。(村上記)

 

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ファン故障!

2月 27th, 2017

先週はじめに講演のために東京に出かけ、講師控室でパワーポイントを試写中に、突然「ファンが不調です! 性能を十分発揮できない可能性があります!」との警告が画面に現れました。「え~っ」とビックリ仰天。冷却ファンが止まってPCの底がどんどん熱くなってくる中、慌てて講演データをUSBメモリーにコピーして、会場のPCで講演を無事終了した次第でした。病院に帰って直ぐに新しいPC購入の手続きをしましたが、公費購入では新PCが手元に来るまで日時がかかる(泣)。その間は何としても現PCに頑張ってもらわないと! そこで「今日の治療指針」の上においたPCの下からミニ扇風機による送風を試みました! (写真)こんな応急処置で我がヨタリPCは何とか無事に動いてます~が、いつご昇天なさるのかは神のみぞ知る。早く来い来い、新PC~。(2/24,ババ記)

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